SONY TR-3100

概要

• AM専用のポケットラジオです。前面はアルミのパンチングパネルで、TR-4100によく似た外観です。
• ソニーのラジオだと思うのですが、カタログやネット上でも見かけないため、詳細はよくわかりませんが、基板はTR-4100の後期のものとほぼ同じで、裏ブタの文字も、TR-4100のものを修正したような跡があるため、後継ではないかと思います。
• 外観、デザイン上の違いは、以下のようなところです。
  
  • パンチング穴にあった四色の模様がない。
  • Solid stateの文字のデザイン、位置の変更
  • アルミのパネルが、ガンメタリック風の色合いになった（たまたま手元にあるものの経年劣化かもしれません）
  • SONYの色が白色で、ロゴが新しいもの（1973年以降バージョン）に変更された
  • 裏蓋の色が、白から黒へ変更。
  • 裏蓋の文字入れが、TR-3100に変更。裏蓋本体の右下に、Made in Hong Kongの文字入れ追加。
  • TR-4100（香港製）で裏側右下に貼られていたMakd in Hong Kongのシールは、「ソニー株式会社」のシールに変更。
  
• TR-4100と同じように、海外ではコピー商品が出回っていたようです。ただ、コピー商品は外観だけで、中身は全然ちがうようですので、このラジオはオリジナルではと思います。
• 回路的にはTR-4100と同じで、6石のトランジスタラジオです。中間周波増幅部にセラミックフィルタが使用され、低周波はアウトプットトランスレスのプッシュプルです。
• 本体にMAID IN HONG KONGと文字入れされています。トランジスタはすべてシリコンのようで、5003等と書かれた見かけない型番で、日本製ではないようです。

仕様

発売：

1970年代?

電源：

006P x 1, 9V

トランジスタ：

6 TR

操作部：

電源SW付ボリューム、チューニング

受信周波数：

AM:

530 - 1605 kHz

最大出力：

mW

ターミナル：

EARPHONE

サイズ：

H112mm x W68mm x D33mm

重量：

190g

製造：

香港製

価格：

　円

メンテナンス

チューニングダイヤルががたがたで、全く音がでませんでした。高周波部分はTR-4100と似通っているので、手持ちで正常に動作するTR-4100と比較しとところ、OSC-IFT回りのトランジスタの電圧が低くなっている部分がありました。

基板を力を入れると音がなることがあり、パターンなどをルーペ、テスタで確認しましたが問題なく、結果的には、実装面の抵抗の足が接触していたの原因でした。

TR-4100は抵抗の足は塗料で被覆されていますが、このラジオは裸のリードになっています。乾電池の交換のために裏ブタをまるごと外すタイプですので、何らかの拍子で、部品が接触してしまったのかもしれません。ちょっと設計上問題ありな感じです。

基板を外したところです。右側の爪をドライバなどで押し付けて外します。あとからこの写真をよく見てみると、抵抗の裸リードが接触していることが確認できましす。

TR-4100と異なり、一部の部品はパターン面に実装されています。ダイヤルのがたつきは、バリコンの２本の固定ネジがひどく緩んでいただけでした。

スピーカーがほこりがひどいです。さらに一部破れがあります。針金のようなものがコーン紙中央部に磁力でくっついていました。

低周波回路は問題ないことは確認できました。トランジスタの電圧などの測定値を確認、回路が似ているTR-4100比較しましたが、局初とIFの一段目の電圧がだいぶ低い状況でした。バリコンの下の長方形のシールド入りの部品は、IFTとセラミックフィルタが複合されたパーツです。

いろいろ触っているとたまに音がでることがあり、どうも基板に力を加えると音がでるようでした。結果的には、写真に映っている抵抗のリードが接触していたのが原因でした。

スピーカーの破損は、破れただけで欠損はなかったので、水で薄めた木工用ボンドを何度か塗って補修しました。

22021/10/15

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