Sony ICF-S17
概要
- AM/FM 2バンドの縦型ハンディラジオです。型番や本体のデザイン、使用ICから見ると、1984年発売のICF-S15と同時期かとと思われますが、発売時期ははっきりしません。
- 底部には４つ突起があり、不安定ですが一応自立します。背面にはリング状の取っ手があり、どこかに掛けられるようになっています。
- この頃は、ラジオの製造が海外に移転していった時期だと思いますが、このラジオはマレーシア製です。パッケージの箱も、なんとなく印刷の感じが日本っぽくないので、箱詰めまで海外でしていたのかもしれません。
- 海外のオークションとかではあまり見ないので、発売自体は日本だけのようです。ただ、中のバンド切り替えスイッチが取り付けられている基板には、はFM-AM/LWとの表記があり、構想としては欧州などの発売もあったのかもしれません。
- 内部の部品は、ICとスピーカーはマレーシア製です。ケミコンはいろいろなメーカーが使われていますが、松下のものはマレーシア製のとなっています。その他、ELNAのコンデンサー、ミツミのバリコンなど、製造国は分かりませんが、日本メーカの分が多く使用されています。
- たまたま、この個体がそうなだけかもしれませんが、組み立てが荒っぽい感じです。実装面はコイル固定用のワックスがてんこ盛り、パターン面はフラックス類を派手に使っているため、実装面まで流れ出ています。実装面にはみ出たロジンをはがしていると、ロジンの経年劣化分解のためか、柑橘系の良い香りがします。
- 1 ICのラジオで、C1303Gと書かれたマレーシア製のチップが使用されています。ICF-S15と同じICです。基板をくりぬいて設置され、パターン側はシールドがつけられています。
仕様
- 発売：
- 1980年代前半？
- 電源：
- 単3 x 2
- トランジスタ等：
- 1 IC
- バーアンテナ：
- 約53mm
- 操作部：
- 電源SW、ボリューム、チューニング、バンド切り替えSW
- 表示等：
- LEDチューニングインジケータ
- 受信周波数：
-
- AM:
- 530 - 1605 kHz
- FM:
- 76-90 MHz
- ターミナル：
- イヤホン
- サイズ：
- W150mm x H75mm x D30mm
- 重量：
- 183g
- 色：
- 赤、黒
- 製造：
- マレーシア製
- 価格：
- 4800円
メンテナンス
機能上はボリュームのガリと接触不良はひどいですが、それ以外は問題なさそうでした。
表側は比較的きれいで、印字のはげとかもありません。
裏面は黄ばみ、よごれがあります。アンテナの取り付け部分に錆、割れがありますが、ほかの機体でも割れているのを見かけますので、構造的に弱いのかもしれません。
ワックスが一部の部品全体にかかっており、ほこりが貼りつついて取れにくい状況です。
結構、小物パーツが多く使われています。バンド表示部は、紙を貼ってあるだけですので、ボロボロになっています。
メラミンスポンジで、まあまあきれいになりました。ひびが入った部分は、錆が浸透しているのか、あまりきれいになりませんでした。
ボリュームつまみですが、白と緑の樹脂パーツを組み合わせて、位置がわかるようにしています。バンド表示は紙製で手が抜かれていますが、こっちは凝っています。
パターン面です。前面、ロジンのようなもので保護されていますが、それが、部品側にまで流れ込んでいます。ダイヤル針は、プーリーと糸を使ったしっかりした作りです。
スピーカーはしっかりとしたスポンジで絶縁、されています。ケースとは接着剤のようなもので固定されていますので、外さずそのまま掃除しました。
実装側の基板の淵のあたりまで、ロジンのようなもので覆わており、汚れを取ろうとすると、削れて粉が出てきます。
裏蓋の内側に、ダイヤル糸の掛け方が表示されています。それも、紙とかではなく、樹脂に直接文字入れされています。古い、ホームサイズのラジオでは見かけることもありますが。
2021/08/28
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