SONY ICF-R50V

Serial No.44033, イヤホンは補修品（背面、エポキシパテ）

概要

ソニーICF-R50Vは1999年発売のAM/FM/VHFの3バンドラジオです。スピーカーと巻き取り式のイヤホンの両方を内蔵した、カードサイズのラジオです。

チューニングはアナログです。AM/FMに加えて、当時のアナログテレビVHF 1-12chの音声を聴取できました。アナログテレビはすでに停波していますので、現在はFM補完放送が聴取できます。アナログチューニングのモデルということで、名刺サイズのなかでは、廉価なエントリーモデルの位置づけかと思います。
ほぼ同じデザインで、AM/FM・TV1-3chのICF-R40も発売されていました。価格は1000円ぐらいしか違わないため、R50Vに統一しても良さそうなものですすが、ワールドモデルとしてテレビ音声無しのICF-R40(JE)を販売していたため、そのついでなのかもしれません。
スピーカーと巻き取りタイプのイヤホンの両方を内蔵しています。通勤等に便利な感じです。イヤフォンが壊れると、巻き取り機能ごと交換となるデメリットもあります。特にこの時代のイヤフォンはしっとりとした材質で作られていましたが、これが劣化しやすいようで、ネットオークション等で、イヤフォンが破損しているものをよく見かけます。写真のものも、かろうじて形はたもっていましたが、
電源スイッチは、片側が通常のスイッチオン、反対に動かすと80分のオートオフ付で電源が入ります。
イヤホンのケーブルがFM放送のアンテナにもなっているため、FM/VHFを聴く場合は伸ばしておく必要があります。そのため、イヤフォンジャックは自動でスピーカーは切れず、スピーカー/イヤホンで手動で切り替えます。
ICは3つ使用されています。メインのICは黒い塗料のようなものが塗られ、セラミックフィルターのしたにあるため、型番が確認できませんが、おそらくICF-R40と同じCXA-1280Nと思われます。TA18158は東芝のICで、VHFのフロントエンド用と思われます。BU2305はタイマーICで、ソニーのラジオによく使われています。オートオフに使用されています。
トランジスタは基板を見た感じではQ6まで確認できます。バッファーやスイッチングに使われているようです。

仕様

発売:

1999年 (平成11年)

電源:

単4x2 (3V)

トランジスタ等:

3IC, 6TR(?)

音声出力:

80mW*

バーアンテナ:

50mm

スピーカー:

約28㎜*, 0.2W, 7.2Ω*

操作部:

電源SW、ボリューム、チューニング、

表示等:

同調LED

受信周波数:

AM:: 530 - 1605 kHz
FM:: 76 - 108 MHz (TV 1-3 ch)
TV:: 4-12 ch)

ターミナル:

イヤホン(3.5mm)

シリーズ:

サイズ:

W55mm x H91mm x D17mm

重量:

色:

シルバー

製造:

日本製

価格:

7,600円

メンテナンス

一応受信はしますが、バンド切替スイッチの接触が悪く、音が出ないときがありました。また、イヤホンの背面側のカバーがひび割れていました。イヤホンは最終的にはエポキシパテで盛りましたが、想像していたよりもうまくいったように思います。

イヤホンですが本体にひびがはいっています。

欠片が2,3ピース外れてきたので、とりあえずこれらを接着剤で留めるべき、いろいろな種類を試しました。

エポキシ系等、いろいろ試しましたが、ほとんど接着できす、最終的には粉々になってしまいました。

接着は諦めて、エポキシパテ(LOCKTITE製)でそれっぽい形にしました。強度優先で端子・基板の上から直接貼り付けて盛りました。後面開放用の小さい穴は作れませんでしたので、音質・音量に相応に影響していそうです。

音が出る側です。それっぽいくは見えます。元の材質のようにソフト感はありませんので、座りが少し悪いです。表面にエラストマーの膜を作るようなものがあれば、塗ってみようかと思います。

色目もたまたま不自然な感じはありませんでした。

裏蓋は、ビスを外し下側から爪を外していきます。少し力をかけて外したら、スイッチやその他部品が飛び散ってしまい、元の状態が分からなくなってしまいました。

実装側です。両面基板ですが、基本的にはこちらの面に部品は集められています。バンド切替スイッチは2か所あり、一つのスライドつまみーで動かしています。スイッチは分解はせずに、接点用スプレーを拭いて、丁寧に拭き取り、回復しました。

裏側になります。

イヤホンケーブルを固定していたテープは劣化してねちょねちょになっていましたので、アルコールで拭き取りました。綿棒がねっとり耳垢がついているみたいになってしまいました。

ICはセラミックフィルターで隠されている感じです。FM用のセラミックフィルタはーは10.7MHzとなっています。製造上のばらつきが数10kHzあるみたいで、2つのCFは正確に揃える必要があるため、写真では見えませんが、小さい色付きの丸が打たれています。この個体は赤(10.70MHz)のようでした。

2つのIC、BU2305と、TA8158dです。

カタログ情報等

商品のしおり

商品のしおり91 (1999), p67
モノラルイヤホン巻き取りタイプで、厚さ16.5mmのスリムホディを実現。科/FM/AMの3バンドが手軽に楽しめる、名刺サイスラシオ
TV(1~12ch)/FM/AMポケッタブルラジオ
ICF-R50V 標準価格7,600円(税別)

イヤホンを本体にすっきり収納できる巻き取りタイプ
厚さ16.5mmスリムな薄型でコンパクトな名刺サイスラシオ
見やすく、聞きたい放送局を合わせやすい、2つのアナロクチューンク窓
パワーオートオフ機能(約90分)
長さゆったり約95cmイヤホンコード

電池持続時間:イヤホン使用時、約32時間(TV時)、約63時間(FM時)、約90時間(AM時)
大きさ:幅55X高さ91X奥行16.5mm
質量:約80g(乾電池含む)

2022/03/09

No.164