SONY MS-4000
概要
- 放送を受信する機能はなく、機能的にはプリメインアップスピーカーになります。MPX-OUTを持つ機器をつないでFMステレオを聴取するためのステレオアダプターです。ラジオではないのですが、マトリクスサラウンドを採用したラジオであるMS-3x00と同じ系列の番号振りになっています。MSセンターの愛称で販売されています。
- 撮影ボックスからはみ出してしまっていますが、かなり大きな機器です。AC100専用の据え置き装置です。MPX-OUTだけでなく、テープレコーダーへのスレテオ入出力もありますし、ヘッドアップの内蔵されており、PHONO入力（レコードプレーヤー）もあります。これらの入力は前面の切替SWで切替できます。
- 位置づけとしては、ラジオを軸にレコードプレーヤー、テープレコーダー等を買い足してホームステレオとしての使用を想定しているようです。サービスコンセントもあります。
- 100Vからトランスを使ってDCを得ていますが、まだダイオードが高価だったのか、4本のブリッジではなくてセンタータップのトランスを用いて、2本で整流しています。
- トランジスタは、18石と豪華絢爛です。基板は2枚あり、１枚は電源供給用、もう1枚にはそれ以外の、ステレオ信号取出し、フォノ入力用アンプ、低周波増幅の回路が、2チャンネル分配置されています。使用トランジスタは、2SC1364 x 3 、2SC634 x 10、最終段はゲルマニウムタイプの2SB495 x 4です。このトランジスタは基板から話して設置され、しっかり放熱板を付けて、片チャンネルあたり2Wを出しています。
仕様
- 発売：
- 1971年(昭和46年)
- 電源：
- AC100V専用
- トランジスタ等：
- TR x 18
- 操作：
- 電源SW付き、ボリューム、トーン、入力切替SW
- 表示：
- ステレオインジケータ、パイロットランプ
- 受信周波数：
- なし、ステレオアダプター
- ターミナル：
- MPX-IN(Cable), PHONO(L/R), REC IN(L/R), REC OUT(L/R), AC100V OUT(300W), Headphone
- 色：
- 茶（木目）
- サイズ：
- H190mm x W380mm x D170mm
- 重量：
- 3600g
- 製造：
- 日本製
メンテナンス
電源スイッチがたがたがになっており、動作不能でした。その他の回路には問題は無いようでした。
分解したところです。本体の下側に電子部品が入っており、上部は左右も独立したスピーカーのエンクロージャになっています。回路的には電源供給、PHONO用のヘッドアップ部分、ステレオ復調とマトリクス処理（赤い部品？）、ドライブアンプとパワーアンプから構成されています。
落下によるものか、中を見るとベークライトのスイッチ本体が割れてしまっており、ちょっと修理は難しいようでしたので、交換しました。
スイッチのクローズアップです。左右で２回路あります。右側は100VのON/OFFで、左側は安全対策なのかSW-OFF時にDC側の電源をアースするようになっています。
元のスイッチは内側の金具にネジ２箇所で留められています。代用品は本体にナットが付いているタイプですので、金具を削って固定できるようにしました。
スイッチ交換後の内側です。
交換後のスイッチです。それほど違和感はありません。
2011/11/06
Update 2014/10/11
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