SONY MS-3200

概要

• MS-3300と同様、MSマトリクス方式のステレオラジオですが、MS-3300より更に小型なの機種です（シリーズはそのほかに、一番大きい100V専用のMS-3400, フォノ、テープレコーダ入力付のステレオアダプターのMS-4000）。これらはほぼ同時期に発売されたようです。
• これ1台でステレオですので、スピーカーは楕円形のものが縦置付けで2個使われています。ヘッドフォンは最近あまり見なくなった、6mmの大きなものが付いています。MS-3300にはあった、サラウンドの具合を調整するつまみはありません。その代わり、AFCとチューニングメーターがついており、ただ音楽を楽しむというより、すこしメカっぽいつくりになっています。
• 大きさ的には微妙なサイズで、持ち出すにはちょっとしんどいけれど据え置きにはちょっと小さい感じです。この機能実現のためには、サイズダウンが難しかったかもしれません。写真ではチューニングメモリの外装の一部が銀色になっていますが、もともとは黒だったようです。右上のSONYのロゴは、TFM-6100のものでオリジナルのものではありません。
• 使用トランジスターはゴージャスに19石です。低周波部分は２系列必要ですので、どうしても多くなるようです。高周波周りは2SC710 x 6, あとは2SC633A x 8, プッシュプルはゲルマニウムの2SB495 x 4, あと、スレテオイジケータ用に2SB136が使われているようです。

仕様

発売：

1971年(昭和46年)

電源：

単1 x 3, DC 4.5V

トランジスタ等：

19石（ラジオ部 18石、補助回路用1石）

操作部：

電源SW, トーン切替SW、AFC SW, ボリューム、チューニングダイヤル, バンド/FMステレオ切替SW

表示：

ステレオ受信ランプ、チューニングメーター

受信周波数：

AM:

530 - 1605 kHz

FM:

76-90 MHz

ターミナル：

Headphone, DC IN 4.5V

サイズ：

H145mm x W240mm x D65mm

重量：

1270g

ニックネーム：

MS-32, マトリクスサウンド32

製造：

日本製

メンテナンス

がたがたのAFCのスイッチですが、かしめてある金具とベークライトの板がゆるゆるになってがたがたしていました。スイッチ内部の金具も外れていました。

部品は、スイッチ内と本体から見つかりました。接点もなぜか真っ黒になっていましたので、細かいサンドペーパーで磨いて組みなおしました。

基板は裏ぶた側に取り付けられており、裏ぶたを開けると裏ぶたに取り付けられた基板の実装面が見えます。スポンジが多用されていますが、全部ぼろぼろになっていました。電力増幅用のトランジスタ４つは基板から離れた放熱板上に取り付けられています。

整備・清掃のため基板とスピーカーをはずしました。取り外しは難渋するところはありませんでした。部品を詰め込んだため、かなりぎゅうぎゅうなつくりで、メーターの上面のメータが出っ張っているためか、バーアンテナとバリコンは傾けて取り付けられています。
赤くて四角いパーツは中身が良くわかりませんが、MSシリーズについているものです。AFアンプ・スピーカーを除いてステレオになっているTFS-7700にも似たようなパーツ（こちらは青）が付いていますので、ステレオの復調か、サラウンドの処理を行うブロック部品のように思っていますが、詳細はわかりません。また調べて見たいとは思っていますが・・

写真前後しますが、スピーカーを取り外す前です。スピーカーは楕円のものが縦に取り付けられています。内部は、スポンジのくずをはたけば、まあまあきれいでした。

金属製のパネル枠がはがれかかっています。

パネル枠は接着剤で補修しました。浮き上がらないようクランプで固定します。

　裏ぶたもきれいに洗ってスポンジを交換しました。なくなっていたソニーのロゴは、完全ジャンクのTFM-6100のものがちょうどサイズが近かったので、そちらのものを付け直しました。アンテナはなかなか変わりのものが見つからず、そのままになっています。

2010/05/04

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